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这条路(26)



「うん。そういうことをしたがるだろうなとは思ってたよ」
「ああ……そして、俺が胜てば、元通りお前のことは妹として扱う。しかし、もし俺がお前に胜てずに终わったなら、そのときこそ俺はお前のものになろう」

 その言叶に、かえでは真剣な目でうなずいた。

「わかった、约束だよ。それまでわたしは斤木流を守ってるから。だから、絶対に帰ってきてよね」
「もちろんだ」
「そして、帰ってきたなら……わたしは絶対にお兄ちゃんをわたしのものにしてみせる」

 そう言ったかえでの目には、今までの人生で一度も见せたことがないような、执念のようなものが感じられ、総太郎は一瞬たじろいだ。
 それで総太郎には否応なしに理解できた。妹の自分に対する想いは、思っていた以上に强いものなのだと。人生を赌けてもいいほどの真剣さを感じ取って、そこまでの想いを向けてくれることに総太郎の心はぐらついたほどだった。 nwxs9.cc
 しかし、それでも総太郎はまだ応えることはできない。

「――よしっ。やる気も最高に出てきちゃったし、この势いで冴华に挑戦といきますか」
「本当にやるのか」
「胜败はどうあれ、今まで溜めてきたものを冴华にはぶつけてやらないとね。わたしだって、お兄ちゃんほどじゃないにしても冴华には返したい借りがあるんだから」

 そう言って、かえでは立ち上がって道场を见据える。
 その妹の小さな背中に、もはや一人で何かを背负っていけるほどの大きなものを感じて、総太郎は寂しさに似たものを覚える。
 まずは、かえでの胜负を见守ろう。そして、その胜负が终わったとき、総太郎の新たなリベンジの旅が始まるのだ。
 すべては妹と真剣に向き合うために。



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 そして、その后――総太郎は武者修行の旅に出た。山辺胜吾のつてを頼って様々な格闘家のもとを渡り歩き、父から受け継いだ斤木流の理念として他の格闘技の要素を柔软に取り入れてゆく。
 総太郎が家を出ていったのち、斤木流道场はかえでが存続させた。かえでは冴华にはさすがに败れたものの、いつか看板を取り戻すことを誓って日々锻錬に励む。
 殴り込みの日から三年が経ったある日、斤木流道场ではかえでと凉子が手合わせをしていた。道着姿の二人は真剣に组手を続け、夕方になって锻錬を终えた。

「ありがとうございました」
「はい。凉子さんはどんどん腕を上げてますね、もう神仓流の门下生たちにも劣らないと思いますよ」
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